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レジのショップ店員に欲しい品を渡す。え?とでも言いたそうな顔を一瞬見る。そうだよ、ちょっと変わってるのは俺だってわかってるよ。
男が男のアイドルを好きになるなんて普通の人には理解し難いさ。…敬一が好きなのは否定なんてしたくないけど。
さ、家に帰ってこれの内容を確認しよう。
俺が一人暮らししている賃貸マンションの部屋は、明らかにアイドル好きだと言う事実を現している。壁にはポスター、本棚には写真集にCDに、写真が印刷されたりするグッズなど…ベッドには抱き枕もある。
どっぷりハマっているのを意味している。だってやっぱりかっこいいじゃないか。ポスターに写る敬一の姿にうっとりする。これだけで仕事の嫌なことを忘れてしまうのは単純だろうか…
びっくりするくらいに番組で見たり新曲を出したりする度に、彼にどんどんのめり込む。
でも一番のびっくりといえば…
ピンポーン。チャイムの音が響き、ドアが空き誰かが俺の許可なく入ってくる。ポスターを見てうっとりする俺に入ってきた人物は抱き着いてきた。
「ゆーずきっ♪」
「わあ!」
抱き着いてきたのは…
「敬一!?」
奥村敬一本人だ。
「会いたかったよー!!寂しかったぁ!!」
自分が一番びっくりしている事実がある。
俺が、奥村敬一のオタクであると同時に『秘密の恋人』ということだ。
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