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「ん……」
気が付くと全く見覚えのない場所のいた。緑の木々が生い茂っているが、木々が太陽の光を遮断している為薄暗く、少し気味の悪い、まるで森のような所にいた。
ここはどこだ?
確か朝家を出ようとした所で……。
今朝の記憶をゆっくりと紐解いていく。
朝家を出ようとした所で、倒れ、意識を失った。意識を失う前の一番新しい記憶。
だが何故こんな森のような所にいるのだろうか。 普通倒れたら病院に運ばれるんじゃないのか。それとももう死んでしまっていて、ここはあの世だったりするのだろうか。
一人考えを巡らせるが結論など出るはずもない。
状況を整理しようと思い、辺りを見回す。自分でも不思議な程頭は冷静に機能していた。
他にも倒れている人がいるのに気が付く。声を掛けようと立ち上がろうとするが、立ち上がる前に次々に倒れている人達が目を開き、辺りを見回して、戸惑った顔、焦った顔などを浮かべる。
やがて一人の青年がこの場にいる人に呼びかける。
「とりあえず、状況整理しないか? 」
その言葉に従わないものは居らず、その青年の元に皆が集まる事になった。
「俺の名前は峰川裕太(みねかわゆうた)。高校三年。で、朝目が覚めたらここにいた」
青年の自己紹介を筆頭に、俺も含めここにいる人は全員簡単な自己紹介をした。
ここにいる人の共通点は気が付いたらここにいたことだ。目が覚めたらここにいた、家を出たらここにいた等々の理由でここにいるらしい。
他にここにいる人の共通点は強いていうならば中高生であることくらいだ。性別も学校もバラバラである。不良っぽい人から名門女子中学校に通う人までいる。
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