出会い

3/4
前へ
/8ページ
次へ
人間界と魔法界は普段遮断されていて、魔法界の存在も魔法使いの存在も人間界の人間には知られていない。 魔法界に住む魔法使いは人間との交流も人間界への移住も禁止されている。余程の理由がなければ魔法使いは人間界に行くことは出来ない。 ある日魔法使いの少女は事故で魔法界と人間界を繋ぐ扉ーーアナザーゲートーーをくぐってしまった。 その魔法使いの少女の名をーー赤月雫(あかつきしずく)と言う。 「ここが人間界なの? お母様とお父様に会いたいよ」 赤月雫は座り込んで泣きじゃくっていた。 「お前こんな所で何泣いてるんだよ」 少女と同じ7歳くらいの少年が声を掛ける。 「あなたは人間? 人間なの? 」 「何馬鹿なこと言ってるんだよ。俺もお前も人間だろ。そんなことより迷子か? 」 「迷子? 」 少女は首を傾げる。少女は迷子という言葉の意味が分からなかった。 「親に会えなくて困ってる子のことだよ」 「そっか。なら私迷子だ」 少女は迷子の意味を理解すると納得気に頷く。 「なら、ちょっと来いよ」 少年は少女の腕を掴んで駆け出す。 「ちょっとどこに……」 「見てみろよ、前」 少女の目の前にはとても美しいお花畑が広がっていた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加