0人が本棚に入れています
本棚に追加
あの出会いから10年経過した今もあの少年のことが忘れられない。
少年と別れた後はすぐに魔法界に連れ戻され、その後は人間界には来ていない。
少年からもらった花冠は枯れないよう保存魔法を掛けて永久保存してある。
あの少年に会いたい。
あの日から少年のことが忘れられなくて、会いたくて会いたくてしょうがなくなる。
この気持ちが恋だと気付いた。
人間に恋をしてはいけないことは分かっている。けれど少年への思いは日に日に強くなっていく。
人間の世界では2月14日に好きな男の子にチョコレートを贈る習慣があるらしい。
その2月14日は魔法学校の研修で人間界に行く日と丁度同じなのだ。
だからチョコレートを作って持って行こう。
チョコレートを渡すくらいなら魔法使いの掟には引っかからない。告白したりキスしたりしない限りは大丈夫なのだ。
チョコレートを渡すだけ。それだけ。他に余計なことはしないから。今回チョコレートを渡せばそれで諦めるから。今回だけ、今回だけよ。
最初のコメントを投稿しよう!