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チョコレートを渡すと決めた日から少女はチョコレート作りに勤しんでいた。
そして遂に2月14日、少女は人間界へ。
少女は少年にもらった花冠を頭に付け、少年との思い出の場所である花畑を訪れる。
その花畑には少女の待ち望んでいた少年がいた。少年は少女の渡したネックレスをぶら下げていた。
少年もまた少女のことが忘れられなかった。日に日に強まる少女への思い。少年は毎日花畑を訪れていた。そこに行けば少女に会える気がして。
「陵、これチョコレート。今日バレンタインデーなんでしょ? 陵の為に私頑張って作ったんだから」
少女が微笑めば少年も微笑み返す。
「ありがとう」
少年はさっそく少女のチョコレートを口に入れる。そのチョコレートは今まで食べたチョコレートの中で断トツと言っていいほど、甘くて美味しい。
「美味しい」
「良かった」
少年は花で可愛らしい指輪を作ると少女の指にはめて言った。
「俺、あの日からずっとお前の事が好きだった」
「私も、私もあの日からずっと陵のことが好き」
二人は抱き締め合う。
二人の顔はとても幸せそうだった。
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