10年後

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チョコレートを渡すと決めた日から少女はチョコレート作りに勤しんでいた。 そして遂に2月14日、少女は人間界へ。 少女は少年にもらった花冠を頭に付け、少年との思い出の場所である花畑を訪れる。 その花畑には少女の待ち望んでいた少年がいた。少年は少女の渡したネックレスをぶら下げていた。 少年もまた少女のことが忘れられなかった。日に日に強まる少女への思い。少年は毎日花畑を訪れていた。そこに行けば少女に会える気がして。 「陵、これチョコレート。今日バレンタインデーなんでしょ? 陵の為に私頑張って作ったんだから」 少女が微笑めば少年も微笑み返す。 「ありがとう」 少年はさっそく少女のチョコレートを口に入れる。そのチョコレートは今まで食べたチョコレートの中で断トツと言っていいほど、甘くて美味しい。 「美味しい」 「良かった」 少年は花で可愛らしい指輪を作ると少女の指にはめて言った。 「俺、あの日からずっとお前の事が好きだった」 「私も、私もあの日からずっと陵のことが好き」 二人は抱き締め合う。 二人の顔はとても幸せそうだった。
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