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3、 袴田雨音
私は、彼の顔を見て確信してしまった。
──もしかして、彼なのかな…。医者が言ってた、私が唯一忘れた人って。
そうと決まったわけではないのに、なぜか申し訳なさが、一気に私の心に流れ込んだ。
だから、せめて今の状況を何とかしてあげなきゃ。
と、私は思った。
とっさに、スマホを出して、LINEを打った。
もちろん、宛先は梓と凜。
『さっきいた、2人も一緒にいる食べても大丈夫かな?』
私がそうメッセージを送ると、
『わかったー!じゃ、席5個確保しますっ!』
そう返事が来たから、私は動いた。
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