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僕の家は、いわゆる大きな株式会社。
年が15歳も違う兄が、社長を務めている。
でも、この家ほどではない。
やっぱり、雨音の家は大財閥だから。
僕とは、レベルが違いすぎることを思い知らされた。
──当たり前だよな。
そう思いながら横を見ると、奏太は驚いた顔をしていた。
「何?幼なじみなのに、知らなかったの?」
そう、彼に耳打ちをすると、
彼は頷いてから言った。
「雨音、家のこと全然話さなかったから」
「そっか、僕の兄は雨音のお姉さんの雪乃さんと取り引きしてるよ。
今の袴田家の社長は、雪乃さんだから」
「え?お姉さん、いたの?」
「そこから、知らないのか……。すごい似てるよ。雨音に」
「そ、そうなんだ」
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