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自然と、妹の手をガシッと掴んでいた。
「待ちなさい。」
そして、口調まできつく…
妹は手を振りほどこうとする。
でも、それが何故か許せなくて。
またな、だけで終わらせない。
ちゃんと話がしたい。
目を伏せる妹を見下ろしながら、私はいつもとは違う聞き方をした。
「何かあったんでしょ。話しなさい。」
えっ…と驚いたような目。
私を見詰める、その奥に秘められた感情は一体何を意味するのか…
それは、妹の“またな”で分かった。
「…………今日、貧乏人だって…笑われたんだ。夏兎が庇ってくれたけど、言われたんだ。“お前は夏兎がいなきゃ何も出来ないんだな”って……毎日来てたのもな、姉貴に話を聞いてほしくて。でも、顔を見ると素直になれねーんだよ。…本当は、ウチだって、自分で何とかしたい。姉貴は仕事で忙しいから…………だから、聞いてくれとは…言えなかった…」
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