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ポツリポツリと話された内容。
そうか…
妹は自分が“またね”って言われる度に思っていたのかも知れない。
“何かあったの?”じゃなく、“何かあったんでしょ。”って言ってほしいって…
今まで聞いてばかりいたから、返事をまともにしなかったんだ。
心の中の真意を、私だけに知ってほしくて、あんな言い方を…
「ごめんなさいね、気付けなくて。」
「本当だよ。」
「ちゃんと言えたじゃない。」
妹のその言葉を聞いて私は、言えた事に対する“偉い偉い”をしながら頭を撫でた。
「………また、話を聞いてくれるよな?」
衝突するかも知れない。
話が噛み合わなくなるかも知れない。
それでも、私は、妹の“またね”に含まれたSOSに気付けなきゃいけない。
「もう、仕方ないわね。…またね。」
弱々しく、だけどぶっきらぼうに話す妹の頭を撫でながら私は、確信のある“またね”を告げるのだった。
(完)
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