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『好き』という気持ちが生まれる時、心のどこかに不確かな空間が生まれる。
いつの間にか大きくなることもあれば、どこへやら分からぬ場所に隠れてしまうこともある。
どの空間にも鍵付きの扉がついていて、その時々で鍵の形状も異なる。よく聴いた曲だったり、とある場所だったり。
ーーほら
たった今、ちいさな空間が生まれた。
きみとの初めての電話
耳に届けられた温かな声音
きみという名の
ちいさなちいさな空間が
心の片隅に産声をあげた。
陽菜18歳、那月20歳の春
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