0人が本棚に入れています
本棚に追加
今日は、2月14日バレンタインデー。
私はこの日のために何回も失敗してようやく作れたチョコ、所謂本命チョコと言われるものを渡すつもりだったのが……
「……」
「……」
いざ本人を目の前にすると何も言えない。
己の小心さに呆れながらもこの沈黙を何とかしようとした。
「これ……はい、チョコ。作ったからあげる」
ようやく言えた言葉が上から目線の言い方だが、この際言えただけでも良しとしよう。すると、彼は嬉しそうに微笑んで言った。
「ありがとう」
「感謝の気持ちのチョコだから。変な勘違いはしないでよね」
自分でも可愛くない言い方をしてると思い、視線をそらす。すると、今度は悲しそうな微笑みで彼は言った。
「分かってるよ」
「それじゃ」
私が後ろを向くと、彼も行ってしまった。
ごめんね、今は言えないけどいつか言えるその時まで待っててーー。
私、本当は貴方のことーー
最初のコメントを投稿しよう!