episode209 お兄様の友達②

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落ち着く場所もなく 僕は壁に背を預け立ち尽くす。 「卒業してもうすぐ6年になるかい?そりゃもう昔の話だよな」 饒舌な椎名さんに比べ 征司はむっつり押し黙ったまま。 「どう?まあまあ?」 手渡されたカクテルにほんの少し口をつけた。 「君は?」 「結構です」 空気は依然緊迫したまま 「おまえの答えによってはだ」 ようやく征司が口を開いた。 「え?」 「おまえの答えによっては――そろそろ本気でおまえを潰しにかかってもいい頃かと思ってる」 「は……?何だよ。物騒じゃないか」 それは 冗談なんかじゃなく。 「ジンバックも不味いし、弟にとってもおまえは毒でしかない」 その場でグラスを逆さにし 中身を床にぶちまける。 明らかに挑発行為だった。
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