episode209 お兄様の友達②

23/30
前へ
/30ページ
次へ
次の瞬間。 重力で落っこちるリンゴのように 物凄い力で引っ張られ 「……お兄様っ!」 僕は廊下に仁王立ちする征司の懐に すっぽりと収まった。 「嘘……だって屋敷からここまで車でも……」 計算が違う。 「誰が屋敷にいると言った?」 「あ……左様で……」 その場合 もちろん答えも。 「で――この頭の悪そうなのが愛人か」 最近にしては珍しく素面の王様は 卸したてのセクシーなブラックシャツの袖口を気にしながら。 「いやっ……あの……」 「結構だ。お引き取り願おうか」 神経質そうに眉を顰める。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

149人が本棚に入れています
本棚に追加