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随分寛容だと
見くびったのが運の尽き――。
「ちょっとお兄さん」
ジンは僕を引き戻すようにして
征司の肩を軽く押した。
「ジンッ……!」
知らないとはいえ恐ろしい。
この人は赤の他人に触れられることを極端に嫌うんだ。
案の定
凄い音がして。
「痛てっ……!」
手首を掴まれたジンの身体は
一回転した後、廊下に投げ出される。
「日本語が通じないのか?お引き取り願おうと言ったんだ」
どこまでも落ち着いた声色。
そのくせ怖いぐらい殺気立った顔して
征司は己が投げ倒した男をねめつける。
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