episode209 お兄様の友達②

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先刻まで背徳行為が繰り広げられていたベッドを横目に。 征司は無表情のまま部屋に入ってゆく。 仕方なく僕も 後に続いて再び重い扉を閉ざした。 「ジンバックね。ジンとレモンジュースと何で割るんだっけ?」 「ジンジャーエールだ」 「ジンジャーエール、なるほど」 何気ない会話なのに ジンといた時よりずっと 空気が淀んで感じるのは――。 「そういや高校の時も度々、生徒会室でこうして酒盛りしたよな?覚えてるだろ?」 「いや」 「そう?僕は鮮明に覚えているけどね。会長」 一重にこの2人の関係性 そのもののせいだろう。 親しい友人と言うのでもない。 ただ他にない強烈な個性が 横に並ぶ人間を限定した結果の これこそまさに腐れ縁――。
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