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先刻まで背徳行為が繰り広げられていたベッドを横目に。
征司は無表情のまま部屋に入ってゆく。
仕方なく僕も
後に続いて再び重い扉を閉ざした。
「ジンバックね。ジンとレモンジュースと何で割るんだっけ?」
「ジンジャーエールだ」
「ジンジャーエール、なるほど」
何気ない会話なのに
ジンといた時よりずっと
空気が淀んで感じるのは――。
「そういや高校の時も度々、生徒会室でこうして酒盛りしたよな?覚えてるだろ?」
「いや」
「そう?僕は鮮明に覚えているけどね。会長」
一重にこの2人の関係性
そのもののせいだろう。
親しい友人と言うのでもない。
ただ他にない強烈な個性が
横に並ぶ人間を限定した結果の
これこそまさに腐れ縁――。
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