episode209 お兄様の友達②

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「今夜は何て言って和樹を誑(たぶら)かしたんだ?」 王様の目に映っているのは 僕が汚して丸めたシーツと ちょん切られたサテンの手枷。 「ジンバックが不味いのは謝る。でも――」 乱れたベッドをチラリ振り返ると 肩をすくめて 「その子が僕を頼ってくるのは今に始まったことじゃないだろ」 椎名涼介は悪びれず言った。 「彼は相談に来た。君のことでだ」 「俺のことだと?」 「最近の君はナーバスだって。僕は何とかしてやると言ったんだ」 「ふざけるな。その見返りがあれか?」 愛人を呼んでの乱痴気騒ぎ――。 「反吐が出る」 「それ相応だと思うよ。だって――」 椎名さんは突然 なんの前触れもなく言った。 「そういえば君、伯父さんになるそうじゃないか。おめでとう」
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