好きになってもいいですか？

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お母さんと速水さんの再婚は、
もう私が成人していたのもあって、
私はそのままの姓でいることに決めていた。
特別養子縁組もしなかった。
職場の中で、速水さんの家族だと知っている人は少ない。
養子縁組とかしていないから、
きちんとした家族にはならないかもしれない
そういった詳しいことは調べていないから知らない。
でも、私にとって大切な人だということには変わりない。

職場では速水さんは知れ渡っているので、
好みのタイプと聞かれて速水さんの名前を出しても、
『なんで知ってるの？』と疑問に思う人もいないし、
「へぇ…」って、引き下がってくれて会話が終了するので
ありがたいと思う。

私が好みのタイプだと言っていることに関しては、
速水さんもご存じで、

「ほのちゃんの好みのタイプなんて言ってもらえて光栄だな。」って
笑ってくれているから安心している。
嫌がるようなら止めなければ…

速水さんの娘さん…真奈ちゃんからは

「ほのちゃん…そのうち変な噂されるといけないから
ぼちぼちお父さんがタイプだなんて公言しないほうがいいよ。」って
くぎを刺されている。

息子さんの諒介さんはもっとひどくて、

「親父を持ち上げる必要ないからね。」って
社交辞令か何かだと思っている。