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「ほのちゃんのその芯の強さ…
あんまり桃花さんの雰囲気ないですね。
僕はこの雰囲気大好きだけど…」
茶化した雰囲気を封印して丸さんは質問先をお母さんに変えた。
「んー。確かにそうですね。
二人とも考え方は私よりもずっと大人です。
ぶれないっていうか…
そういった点は私に無い点なので、
生きてきた中で学習してきたことなのか、
私以外の関わってくれた人の影響なのか…父親の性格なのか…」
細かく分析しないでほしい。
声すら思い出せないお父さんの存在なんだから、
似てるかなぁ…なんて思い出せない。
「まぁ…周りが何かを言っても、
恋愛に気持ちが向かないときは全く向かないし、
なんとも思っていないのに、急に恋愛が降ってわいてくることもあるよ。」
泣きはらしたお母さんにグワッと持っていかれたという
不気味な趣味の速水さんがこの話をお終いにしてくれたけど、
本当にソレ。
お母さんが洗い物を終えそうな瞬間に
食べ終えたお皿をそっとシンクに置いた。
ぷぅっと膨れた顔をしてお皿を洗ってくれたお母さんに
さっきの上目使いをしたら、
横にいた速水さんに笑われただけだった。
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