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離婚話の渦中に、お母さんは勤めていた会社を辞めた。
離婚・失業と不幸のどん底みたいなお母さんだったけど、
もともとの人脈や仕事への思いもあって、
少し研修に行き、転職をすることに決めた。
のんびりしている人だと思っていたけど、
その行動力に驚いたのを思い出す。
研修までの少しの期間に、
用事で出かけた外出先で飛び出した歩行者と接触事故を起こして、
しばらく本当に落ち込んで見ていられなかった。
不幸って連鎖するんだな…って、
お姉ちゃんとぞっとした。
でも、被害者の人もお母さんも
そんなにケガが無かったのが不幸中の幸いだと今も思う。
その後、研修を無事に終えて、お友達のよっちゃんが
紹介してくれた介護施設にお勤めするようになった。
夕方にはお母さんがいる生活は一変して、
「おかえり」と言ってくれるのはおばあちゃんになって、
寂しくなかったと言えば噓になるけど、
私みたいな境遇のご家庭の友達に比べたら
ずいぶんと恵まれた環境だったと思う。
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