12/29

255人が本棚に入れています
本棚に追加
/94ページ
「丸さんには言っておくから、ちょっとこっちに良い?」 そのまま微妙にペットボトルを握りながら 腕を掴まれて刑事課に向かう。 普段行くことのない場所に緊張する。 ここにはあんまり女性職員がいなくて、 今、産休・育休の片井さんが一番若いと聞いている。 ピリッとした雰囲気に飲まれそう。 「失礼します。」と、学校で習った通りの挨拶で入室し、 ブラインドで隠れる小さな小部屋に連れていかれる。 何もない殺風景の部屋。 菊池さんと松井さんと3人でいると、 菊池さんが 「ちょーっと待っててね。緊張しなくていいから。」と 部屋をいったん出ていく。 松井さんは、速水さんの家で見るような雰囲気は一切なく ポケットに入れてあったスマホを取り出し、 確認しながら、 「嫌だったら断ってくれて全然かまわないから…」と 小さな声でつぶやいた。 いやだったらって? 嫌なこと頼まれるかもしれないってこと? でも仕事に関することなら、 断っていいのかな?
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

255人が本棚に入れています
本棚に追加