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「誰と…行けって言われるんですかね?」
人見知りのある私は、早く教えてほしいと思う。
だってそんな面識のない相手と恋人同士に見えるように…なんて
もし言われたら、本当に無理だ。
初々しいカップルに見えるならまだいいけど、
どちらかと言えば、挙動不審にしか見えないだろうし…
「松井かな…多分。じゃなきゃ菊池くんだと思うけど、」
できれば…松井さんだと良いなぁ…と思うのは、
丸さんへの親しみと同じだろう…多分。
「どんな格好で行けばいいですか?
私、あんまり女子女子した格好とか持っていないし…」
「だよね。普段着知ってるから大丈夫。」
こういう会話はプライベートを知っていてもらっているから楽だ。
「まぁ…本格的に受けるのであれば、向こうに聞いて、
洋服の数点くらいは松井とかに買ってもらえば?
自分の趣味じゃない服買わされるんだし…」
笑いながら丸さんに言われるけど、
人に買ってもらうのは申し訳ない。
「気にしなくても良いよ。まぁ…坂崎に危険が及ばないようにって
小林さんにも、松井にも言っておくから。
経験だと思って…」
丸さんは私が前向きに考え始めたことに気づいて、背中を押してくれた。
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