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「いつも…妹がお世話になっています…」
お姉ちゃんは一旦廉を保育園に預け、
家の用事を済ませ10時から始まる行事に、
再度保育園に向かう予定だったため
マンションで待ち合わせ。
諒介くんが準備してくれた来客用の駐車スペースに車を止め、
お姉ちゃんに電話するとすぐに来てくれた。
「今日はスミマセン。こちらの都合でゆっくりできなくて…」
松井さんは申し訳なさそうにお姉ちゃんに謝る。
正直言えば、お姉ちゃんと
ゆっくり買い物行ったり食事をするつもりだった。
それはまた別の機会に…ってことにしたけど。
「そうですねー。妹とデートの予定だったのに…」
クスッと笑ったお姉ちゃんは、
前だったらこんな風に冗談を言う人じゃなかったけど、
大学に行って、就職して、結婚して…
時々こんな風に、びっくりするような冗談を飛ばす。
でもそれは、親しんでいる人にしか言わないので、
お姉ちゃんなりに松井さんのことを信頼している証拠なんだろう。
「諒介くんは?」
「仕事で、直接、保育園に来てくれることになってる。」
保育園までゆっくりと3人で歩く。
保育園まで付き合ってくれると思っていなかったからびっくりだ。
「忙しいんだね。」
「そうだね…仕事だから仕方ないけど、子育てには積極的に
参加してくれているよ。」
お姉ちゃん夫婦は、私の理想だ。
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