26/29

254人が本棚に入れています
本棚に追加
/94ページ
「いつも…妹がお世話になっています…」 お姉ちゃんは一旦廉を保育園に預け、 家の用事を済ませ10時から始まる行事に、 再度保育園に向かう予定だったため マンションで待ち合わせ。 諒介くんが準備してくれた来客用の駐車スペースに車を止め、 お姉ちゃんに電話するとすぐに来てくれた。 「今日はスミマセン。こちらの都合でゆっくりできなくて…」 松井さんは申し訳なさそうにお姉ちゃんに謝る。 正直言えば、お姉ちゃんと ゆっくり買い物行ったり食事をするつもりだった。 それはまた別の機会に…ってことにしたけど。 「そうですねー。妹とデートの予定だったのに…」 クスッと笑ったお姉ちゃんは、 前だったらこんな風に冗談を言う人じゃなかったけど、 大学に行って、就職して、結婚して… 時々こんな風に、びっくりするような冗談を飛ばす。 でもそれは、親しんでいる人にしか言わないので、 お姉ちゃんなりに松井さんのことを信頼している証拠なんだろう。 「諒介くんは?」 「仕事で、直接、保育園に来てくれることになってる。」 保育園までゆっくりと3人で歩く。 保育園まで付き合ってくれると思っていなかったからびっくりだ。 「忙しいんだね。」 「そうだね…仕事だから仕方ないけど、子育てには積極的に 参加してくれているよ。」 お姉ちゃん夫婦は、私の理想だ。
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

254人が本棚に入れています
本棚に追加