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ちょうどエレベーターが踊り場に到着し、
人混みを避けれる位置まで歩き、立ち止まる。
何を言っているんだ?と思いながら、
松井さんをまっすぐ見つめると、
少し困った表情を浮かべた松井さんが、視線をそらす。
「松井さんと買い物が嫌なんじゃなくて、
せっかくの休日に、彼女さんに申し訳ないなぁとか、どんな洋服選んで良いのかって事しか考えてないです。私、嫌だなって人と長い時間出かけられるほど寛大な人間じゃないんで。」
それだけ伝えておく。
そうすると、松井さんは
困ったなって言いたげに、
「真っ向勝負みたいな言い方、ほのちゃんらしいね。俺と買い物が嫌じゃなくて良かった。
洋服は、ホントにほのちゃんの好きなの選んでくれれば多分大丈夫です。それと、自分には休日に一緒に出かけるような特定な相手は居ませんので、
余計な心配は無用です。」
突然、思ってもいない情報も入っていて、
私はずっと松井さんには特定の彼女がいらっしゃるもんだと思っていたので、
ちょっと驚いた。
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