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「マルさんは、きっとほのちゃんにも買ってあげて、 奥さんにも買っていくだろうね。 速水さんは…有無も言わさず買ってあげる雰囲気だね。 それを桃花さん一生懸命断りそう…」 松井さんの膨らませている想像に 少し笑いが浮かんだ。 お母さんと速水さんはいつもそんな感じだ。 お互い別々に買い物に出かけても、 自分のものはそっちのけで 私やお姉ちゃん、諒介くんや真奈ちゃん、蒼ちゃんの分とか とにかく人のものばかりを買ってきて、 「自分の分は?」って聞くと、良いのがなかっただの、忘れてただの、 欲しいものが無かっただの、そんな感じ。 そんな事を思い出したら、何だか自分の物よりも、 お母さんたちのものを買っていこうかな…って気持ちになった。 お目当てのお店で、一旦試着をして、自分のサイズのものを購入。 迷ったけど、両方ともかわいかったから2パターン購入。 支払いは自分で。 その会計の際に、松井さんは何度も払うと言い張ったけど、 さすがにそれは無理。誰の前でも、遠慮なく着たいから…と伝えた。
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