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「そう?そう言ってもらうと嬉しいけど、
ほのちゃんから見たら、もう俺なんておっさんだし、
地元で、その辺の洋服で元々十分なんだよね。
部屋着なんて、大学のころから同じってくらいズボラだしね。」
「いやいや。おっさんじゃないでしょ。
この前の飲み会の時だって、菊池さんと松井さん、
友達の中でかっこいいって言われていたくらいですよ。
紹介してほしいって子だっていたくらいだし…」
あの日以来更紗からのラインが頻繁で、正直無視している。
「そうなんだ。菊池なら喜ぶと思うよ。
俺は…紹介とかは良いかな。何かそういうのって、
うまく行くと良いけどいかなくなった時に、
紹介してくれた友達とも疎遠になりそうでね…」
荷物を右から左に持ち替えて、
松井さんはそれ以上その話の続きはしなかった。
「速水さん所と、おばあちゃんに、
何かデパ地下でお土産買っていこうよ。
それと、何かしずくさんの所にも、
今日のお詫びと駐車場のお礼がしたいな…」
そう言う細やかな気遣いって本当にすごいなって思う。
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