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お姉ちゃんの所に寄り、
「夕飯を食べていけばいいのに…」と、
提案してくれる諒介くんのお誘いを断り
松井さんの車の助手席に乗り込む。
窓を開けて、お姉ちゃんたちに手を振って車が走り出す。
3人の姿は、幸せって言う言葉を形にするとしたら
こんな形もあるんだろうね…って言いたくなるような
雰囲気だった。
「眠かったら眠っても大丈夫だよ。
朝早かったしね…」
3人の姿が、もう確認できなくなったころ、
松井さんが静かに流れている音楽の音量を落として
話しかけてくれた。
初めて会った頃は、私が高校を卒業するかしないかの頃だったと思う。
こんな風に二人で過ごすのは初めての事だったけど、
一緒に過ごして、新しい発見も多かったけど、
こんなに心地いい人だったと思わなかった。
帰り道…もっと長くても良かったのに…と思うほど、
眠気なんて全然なくて今日一日通して本当に楽しい時間だった。
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