26/26

254人が本棚に入れています
本棚に追加
/94ページ
お姉ちゃんの所に寄り、 「夕飯を食べていけばいいのに…」と、 提案してくれる諒介くんのお誘いを断り 松井さんの車の助手席に乗り込む。 窓を開けて、お姉ちゃんたちに手を振って車が走り出す。 3人の姿は、幸せって言う言葉を形にするとしたら こんな形もあるんだろうね…って言いたくなるような 雰囲気だった。 「眠かったら眠っても大丈夫だよ。 朝早かったしね…」 3人の姿が、もう確認できなくなったころ、 松井さんが静かに流れている音楽の音量を落として 話しかけてくれた。 初めて会った頃は、私が高校を卒業するかしないかの頃だったと思う。 こんな風に二人で過ごすのは初めての事だったけど、 一緒に過ごして、新しい発見も多かったけど、 こんなに心地いい人だったと思わなかった。 帰り道…もっと長くても良かったのに…と思うほど、 眠気なんて全然なくて今日一日通して本当に楽しい時間だった。
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

254人が本棚に入れています
本棚に追加