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「そしたらまたね。」
松井さんの運転で、自宅を目指す。
慣れた景色が流れていく様子にホッとする。
家に着くと、玄関が開き、
「夕飯…用意してあるから松井さんもどうぞ。」
ばあちゃん、やっぱり何もしないとか言って、
作って待っていたんじゃん。
「ばあちゃんのご飯なんで地味ですけど…」って松井さんを招き入れると
「地味で悪かったわねー。キラキラしたご飯は、
出先で食べてきたんでしょー。」ってばあちゃんに悪態つかれて
何も言えなくなった。
その様子を見ながら松井さんは
「すみません。いただきます。」って言いながら
丁寧に靴をそろえて家に上がった。
速水さんの家で一緒にご飯を食べることはあっても、
自宅で食べることはなかったので、
見慣れない松井さんに少し緊張する。
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