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いつもより、濃い目に化粧したから気恥ずかしいけど、
「普段のすっぴんもかわいいけど、こうしてしっかりメイクしても
かわいいよ。」って素なのか演技なのか、言ってくれるから
私も、その言葉のまま、かわいいでしょって少し自信過剰に振る舞う。
「普段もそんな風に高飛車でも良いのに。」って笑いながら
アルコールの入っていない飲み物をそれらしく飲む。
少し緩めたネクタイと、一つ開けたワイシャツのボタンから
漏れ出る色気が半端ないんですけど…松井さん。
その色気に当たられた感じで、
顔が熱くなってしまうのを抑えることができない。
「今、私役得かも…だってこんな松井さんが見れて…」
見上げて呟くと、ごふっと松井さんがむせる。
「こんな姿、正直誰にも見せたくないよね。
特に速水さんには見せたくないかも…
今日の話絶対しちゃだめだからね…」
色っぽい会話なんて全然なくて、
普段の延長みたいな会話をしているだけなのに、
距離が近いだけで、こんなに恋人っぽく見えるから不思議だ。
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