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正直にらみつけているような視線で、
絶対に負けないって思いながら、詰められた距離でも、
相手の隙を探す。
「この前坂崎さんに肘打ちされたここ…痛かったなぁ…」
にやっと笑った笑い顔が本気で気持ち悪い。
「すみませんでした。」
必要以上刺激しないように、
言葉数少なめに話す。
「いや、そのお詫びに…食事でも…って、ねぇ。良いでしょう?」
もう手を伸ばせば届いてしまう距離に、
声も出てこない。
「優しく言っているうちに、言うこと聞けよっ!」
返事もしない私にイライラしたのか、
急に大きな声を出した。
さっきまでの雰囲気とはガラッと違う。
耳が痛くなるような大きな声を出されて、
悲鳴も出てこない。
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