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「大体、ちょっとかわいいからっていい気になってんなよっ。」
あまりの豹変ぶりに、まじめにやばいと痛感する。
仕事柄、いろんな想定をして訓練を受けてきたはずなのに、
その場に遭遇すると、手も足も動かない。
声も出せない。
私の腕を乱暴に掴もうとされて、痛みで小さく悲鳴を上げるのが
精一杯だ。
「坂崎さんだって、僕のことまんざらでもないでしょ。
手堅い仕事しているから、僕、優良物件ですよ。」
何が優良物件だ。
優良だったら、もっとスマートに誘ってみろ、
そして断られたらすぐ引き下がれって、
心の中で強く思う。
こんな奴のいうことなんて聞く必要ないし…。
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