裏切りの真実。

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てらさんは使えそうな物を見つけると宝探しの宝を見つけたかのように喜んだ。 「使えるものが多ければ多いほど店の復活も早いってなもんだな! 他には…おおっ!栓抜き! ビールが飲めるな!」 救われる。 雅臣の事も俺の事もきよの事も全部、受け止めてくれてる。 「てらさん、ありがとう。助かるよ。」 「…きよちゃん。 ぶっちゃけ、俺、きよちゃんとなら一晩のアバンチュール出来るからな!」 …はっ?! アバンチュール…?! いつの言葉だ。 「そ、それはお断りします…」 「あぁ。お断りしてくれよ、きよちゃん。 すべての男お断りだ。きよちゃんはみんなの癒し美女。誰のものでもねぇ。 マサにも伝えた。したらあいつ、“なら和希さんをもらいます”だってよ。ぎゃはは!」 あの…バカ。 それでも胸が熱くなるのは雅臣の言葉が嬉しいから。まっすぐな言葉が嬉しい。 「かずちゃん、ありゃ諦めないタイプだ。もう逃げられねぇーな!きゃはは! あーきよちゃんのブローチ! これが光るとやらしくてなぁーははは!」 ……ブローチ。ばあちゃんのものだ。 「あ、それ。ありがとう。 ばあちゃんに渡そうかな。」 「…きよちゃん、元気か?もう90近いよな、2年も会ってねぇ。 俺の野菜を使い続けてくれたお礼を言いてぇよ…」 そうだ。時間がないんだ。 なんとかして会わせたい。 「連絡してみますから。 てらさん、番号教えて。」 え…って、てらさん。 「赤面するのやめてよ。」 「えー、きよちゃんって登録していい? 心が弾む感じがする。」 …………。 「お好きにどーぞ。」 やった!ってガラゲーを開いてる。 ガラゲーってとこが良い。
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