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僕は恋人なんてできたことないピュアッピュアな高校生だからわからないけど、和希が苦しむ恋愛を一度見てるから嫌だ。
そんな変な奴との恋は応援できない。
でも雅臣氏なら穏やかに過ごせると思う。
ま、ヤクザなら別だけど。
どう足掻いてもヤクザじゃない。
でも聴取を受けててまだ出てこない。
雅臣氏、あんまり良い人すぎて捕まらないでよ。
和希が苦しんでる。
風呂掃除をしてリビングに戻ると和希はすでに夕食の準備中だ。
メールはまだなし。
「なぁ、優希。ばあちゃんに会うか?
もう会えなくなるかもしれない。」
「……え?……うん。会うよ。」
和希よりは会った回数は少ないけど、夜に僕の様子を見てくれた。
両親の祖母は田舎に住んでてそう会っていない。
和希が環境を変えたくないと田舎へは移住しなかった。
僕はこの街が好きだからね。
歩けば父さんと母さんの思い出を思い出せる。忘れたくないんだ。
きよばあちゃん、死んじゃうの?
……なんて言ったら最大限の感謝を伝えられるかな。
「優希、出来たぞ。早いけど食べるか?」
「うん!食べるよ!」
いつもより早めの夕食を食べながらもテレビを見てる。
……あ!
「雅臣氏!!」
“竹之内雅臣氏が警察署から出てきました!……社長!反社会的勢力との関係はおありなんてすか?!社長!!”
うわ、レポーターかハイエナに見える。
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