秘められた思い

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雅臣氏。 メールで、“そ、そんな”って。 絶対に和希のごはんが食べたいに決まってる。てのは自信過剰かな。 でもさ。 「あ、やっぱり和希のごはんが食べたいみたい。」 って言えば和希はタッパーに煮物を詰め始めるし、持ち帰った大量の野菜とか肉も袋に入れてる。 通い妻のよう。 なんで雅臣氏を信じれるかは和希の昔の恋人と比べられるから。 確か二十歳かそこらで年上の彼氏が出来た事があった。 でもいつも和希は不安で愛される、愛するということに精神的に参ってた。 離れたときは幼いながらに良かったと思えたんだ。 和希はそれから恋愛しても付き合ったりしなかった。 僕がまだまだ幼くて自分の事よりも僕優先だったから。 でももう高3だ。 夜ひとりでもどうってことない。 食べ物は和希が用意してくれてるし、暇なら義人が電話に付き合ってくれる。 オンラインゲームでも話すし。 僕は意外と良い子に夜を過ごせる。 ちゃんと寝るしね。 「あ、5分後に隣のビルに迎えに行きますって。」 なぜ隣なのよ?家、知ってるのに。 ま、いっか。 「分かった。優希、悪いな…その一人にして。」 ほら。和希、いいからね。 「平気だって!後はお風呂入って勉強してテレビみてゲームして寝るから。」 「なんか忙しそうだな、お前。」 当たり前でしょ。 高校生なんだから。 二人してふふっと笑ってしまった。 義人、何時頃ゲーム来れるかなー
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