秘められた思い

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ドアを開けたら和希さんが入ってきた。 「すみません、わざわざ。」 「……いいって。食料が有り余ってたし。店の分。」   あ、営業できないから…… 「すみません。」 「あ、いや。謝るなって」 僕達の会話に須泉さんはクククッと笑ってます。 「では、帰りましょう。 マンション前まで行きます。」 「あの須泉さんも夕飯……」 「いえ。家で用意してくれてますから。」 あー。奥様かな。 なるほど。指輪してますもんね。 僕も和希さんにいつかプレゼントしたいな。……え、まずいですね。 指輪をした和希さんって……チラリと和希さんを見たら 口パクで“なに?”って。 本当に可愛い人なんですね。あなたは。 「須泉弁護士、どうなるんですか?これから」 和希さんの質問に 「とりあえずは警察も動いてますし。でも疑問も残ります。 こんなことしたら会長だって調べられると思うんです。それって……」 「バレてもいいってことですかね? というか、雅臣を失脚させることも容易いんでしょうね。」 和希さん、僕の事心配してくれてます。 でも僕は平気ですよ。 屈しません。 「祖母に会いました?」 「あぁ?会った。」 和希さんは怪訝な顔をしてます。 「お前、自分の心配しろよ」 って小声で僕に伝えてくれてます。 そのウィスパーボイスもセクシーです。でもそんな事言ったら怒られますね、絶対。
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