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「また明日も行きます。須泉さんのおかげで今日は帰れましたけど。
……僕が思っている以上に父親って権力持ってるんですかね。」
「んな余裕ぶって。どうすんだよ。」
雅臣は呆れるほど穏やかに話してるけど。
どうするんだ、須泉弁護士の言う通り会社は無傷では済まないぞ。
「和希さん、僕が無職になったらどうします?ふふ……」
はぁ?!
「べ、別にいいけど。食べるものは俺が作るし。」
……え、俺なに言ってんだ。
恥ずっ……まるで無職でも付き合いたいみたいな感じになったよな…
「ふっ。和希さんは本当優しいですね、じゃ、和希さんのところでニートします」
後ろから抱き締められて耳に吐息がかかる。
もうそれでもいいやと思ってしまった俺はそこまでしてこいつの特別になりたいらしいな。
「ニートか。って、社長辞任?」
「分かりませんけど。株価も下がってるし、腹黒社長だって言われてるみたいだし。」
雅臣、もしかして参ってる??
「お前、平気か?」
「何かおかしいですか?」
「いや、参ってるかなって。」
「うーん、正直参ってます。
……和希さんがいなかったら僕はどうなっていたか。」
大袈裟だな。それでも嬉しく思う。
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