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ま、まさか……
「ま、雅臣?まさか機嫌悪くした?
いや、別に考え事なんてしてない。」
「…………そうですか」
えぇー。雅臣ってこんな感じで拗ねるのか?
「あの、その…お前と繋がれる事に安心するなぁって……思ってただけで…」
それでもふと思った。
まだ出会って1ヶ月くらい。
知らないことの方が沢山ある。
もしかしたらこんな事で拗ねられたら長くなんて続かないのかもしれない。
雅臣の背中を見て悲しくなる。
俺はこんなに好きになった相手ともうまくいかないのか。
俺は誰も幸せにできない奴なのか。
クルっと振り返った雅臣が俺を見て
「か、ずきさん……」
「え……」
雅臣は慌てて俺を抱き締めた。
「ご、ごめんなさい!泣かせるつもりなんてなくて……和希さんがあまりにも可愛くて拗ねてるフリなんてして……
本当は全く怒ってないし、むしろ好きすぎて。
不安にさせてごめんなさい。
僕はあなたが大好きですから!!!」
まさか自分でも涙なんて……
どれだけセンチメンタルなんだ、俺。
随分、女々しいなって反省した。
けど、雅臣があまりにも慌てるから我慢できない。
「ぷっ……ははは!すまん、俺も泣くなんてな!はは!」
「えぇー泣いて笑うって器用すぎますから……そんなあなたも可愛くて仕方ないですけどね。」
目が合えばまたキスをする。
雅臣は俺に安心を与えてくれる。
何とかしてゴタゴタを解決しないと。
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