秘められた思い

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雅臣とまた風呂に入ってベッドに入る。 さすがに雅臣は疲れているのか。 「今日はもう襲ったりしません。 和希さん…」 優しく微笑む雅臣に包まれるように抱き締められる。 あまり多くは語らないけど、参ってるのは確かで俺に一体何ができるかと考える。 しばらくしたら雅臣からは静かに寝息が聞こえてきた。 素人が何が出来るってわかんないけど。 「雅臣、落ち着いたら本当に恋人にしてくれるんだろ?」 返事はない。 恋人になれるなんて確信もない。 俺が好きだってハッキリ言った事もない。 でも思うよ。お前は穏やかで一緒に過ごしたら優しい気持ちでいられる気がする。 「……」 「雅臣……す、好き。大好き。」 ふぅ。言ってみた。 寝てるこいつに言っても無意味かもしれないけど、言ってみると益々しっくりくる。   好きなんだな、本当に雅おっ!! 「うわっ!」 グッと強く抱き締められた。 「和希さん、大好き。眠ってる僕に言うなんてルール違反ですよ。起きてる時に伝えて下さい。」 「寝てないのかよ。タヌキか。」 「寝そうでしたけど可愛い質問が聞こえてきたんで。答えはハイですよ。」 “落ち着いたら本当に恋人にしてくれるんだろ?” ……あ。さっき言ったな。 「雅臣。……本当に、好きなんだ。」 「和希さん……誘ってます?」 「ない。寝ろ。」 雅臣がまた優しく微笑むからその顔にキスをした。 人たらしめ。 「あー。寝ますから。 あと一回キスしてくれたら寝ます。」 「子供か。」 それでもキスをする。 雅臣とするキスは中毒性があるみたいだ。 「……ん。続きは朝しましょう。 それでまたお風呂入りましょう。」 …………本気か? でも翌朝、本当に喘がされた。 朝から元気な奴だ。 「ハァ…朝の和希さんも色っぽい…」 「あぁっ!バカか!んんっ!」 「朝、続きするって約束しましたからね、ハァ…」 それでも朝風呂は気持ち良かった。 でも9時に雅臣はまた警察署は向かっていった。 見送った俺はその後、雅臣におかずを作る。 帰って食べてくれたら嬉しい。
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