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ばあちゃんは薬で落ち着いて眠っているみたいだ。
「じゃ、俺、このクローゼットに…」
忍者アッキーさんは本気で隠れようとしている。いや、この部屋のクローゼットにいたら出られないだろ。
「じゃ、そこで親子の会話を聞いていて下さい。」
俺の言葉にギョッとした顔をしたアッキーさん。
「むしろ、それ興味あるかも。
やばかったら和希君にメッセージ送る!」
…どうやら本気で隠れるのか。
あ、そうだ。
「ばあちゃん、このブローチ置いとくな。貸してくれてありがと。」
綺麗なブローチを置いた。
この前店で見つけたもの。
忍者は完全に姿をクローゼットに納めたのか静かだ。
「じゃ、アッキーさん。俺、リビングで来るの待ちますよ。」
「はいよー。俺はここで二人がやりあわないように警備しとく!」
……病人になんかするわけないだろって突っ込みたくもなるけど。
アッキーさんの頭の中はどうなってんだか。
俺がリビングに戻るとチャイムが鳴る。
早いな。
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