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「竹之内さん、もうお帰り頂いて結構ですよ。」
えっ?色々聞きますって言われたのにあんまり話さずに解放された。
「雅臣社長。…会長が警察に来たそうです。」
須泉さんに知らされて驚く。
「え?それって…」
「恐らく自首でしょう。そろそろマスコミが聞き付けて騒ぎになります。帰りましょう。」
父が自首?あの傲慢な父親が。
どうして…。
「会社に戻るんじゃ…」
「いえ。きっと会社も大騒ぎです。
私がマスコミ対応しますから。」
確かに通常業務なら僕がいなくても平気ですけど。
「ありがとうございます。」
「いえ。でもこれからの会社の事を考えないとですね。」
確かに。無傷なんてはずがない。
有名レストランやホテルを経営してるんだ。そんな会社が反社会的組織との繋がりがあったら大ダメージなはず。
辞任して済むのか。
考えないと。これからの事。
明正兄さんの家に行くと…
「…その煮物…」
「ん?和希君がお前に。」
何で食べてるんですか?
「あ、親父がここに来たよ。」
はい??ビックリする僕に明正兄さんが説明してくれた。
和希さん……本当にあなたって人はすごい人です。僕はおばあちゃんを父から遠ざけないとと思っていました。
「ふふっ。俺、クローゼットで聞いてたんだ。寝るかもと思ったけど感動的でな。」
「忍者ですか?」
本当にこの人は。
「あ、会社は?テレビ、テレビ…」
音を小さくしてテレビを見る。
明正兄さんは優しいからおばあちゃんに聞こえないようにしてるんだ。
「あーやってるね。ガッツリ。」
ご丁寧に会社の歴史から説明してくれてる。
株価がやばそうですね、これは。
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