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「おかえり、優希。ばあちゃんとこ行くか?」
「うん。行くよ……はっ?!」
それはそうなるだろうな。
優希はテレビに釘付けだ。
“竹之内グループの会長だった!
黒い繋がり告白か?!”
テレビで午後からほとんどのテレビでこの話題だ。
「…優希?行けるか?」
「う、うん。なんかすごい事になってるよ。あ、雅臣氏だ!」
雅臣の会社前の囲み取材の様子ももう俺は何度も見た。
“社長!今後、会社はどう対処していくおつもりですか?”
“あなたは関与していないとハッキリ言えるんですか?!”
“私としましてはお客様、株主様に誠意を持って対応いたします。”
“詳しくは何ですか?
退任ですか?!”
“それも案としてありますが、まだ詳しく決まっていないのが現状です。”
“社長は反社会勢力との繋がりはあったのでしょうか?”
“ありません。これはハッキリと断言出来ます。会長のした事で不快な思いをした方々がいるのなら代わりに謝罪いたします。”
「うわぁー。雅臣氏ってココにいるときはふにゃふにゃだけど、テレビの中だとシャキッとさしてるよなー」
お前は主婦か。優希。
「いいから行くぞ?
明日も学校だろ?」
6時には帰った方がいいだろう。
優希はテレビを消して着替えに行った。
雅臣。あのテレビの感じだとなかなか収まりそうにない。
警察はあの店に来た組の目星もつけているだろう。
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