バラの花束をあなたに

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「んで?優希にも言ってないんだな、好きな奴の事。ビックリしてたもんな。」 「言えるわけないよ、本人に。」 「んー本人に―――は?」 本人にって言ったよな? え?善人の好きな奴って… 「優希の事か?」 「そっ。」 え?いや、待て。 善人は中学くらいの頃は彼女いたことあったよな? 「え?お前、いつから?」 「最近。でも確実に焦ったのは優希も人気あんだよ、可愛い系とかいうの? 2か月前のバレンタインでチョコもらっててさ。 誰かと付き合うとか嫌だなって…」 確かに2か月前のバレンタインはもらってきたけど、優希は食べもしなかった。 手作りは食べたくないというちょっと潔癖?な優希の代わりに食べたもん、俺。 「善人、よく俺に言ったな、それ。」 「和希にぃちゃんにしか言えないよ。」 それもそうか。 「優希はどうなんだろうなー。 サッパリ知らないなー。」 「俺は優希にはちゃんと好きな奴と付き合ってほしいから言わないよ。 でも俺なわけなさそうだし。」 そうか?でも優希って善人しか家に呼ばないし、遊ばない。 幼馴染みだから? 「ま、俺は見守るわ。 相手が善人なら安心できるし。 浮気とかしないタイプだろ?」 「浮気?優希と付き合えるならしないね。これでも一応は悩んだんだ。 でも明らかに恋愛の好きなんだって気付いたんだよねぇー」 善人はちゃんと考えてくれたんだと思うと安心できる。 弟に辛い恋愛はしてほしくないからな。 ま、その本人は今ごろ家でテレビとしゃべってると思うけど。 善人と別れて適当に調味料を買って帰った。  
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