バラの花束をあなたに

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家に帰れば優希は案の定、テレビを見ていた。 「おかえり。和希。」 「ただいま。」 もう口も尖っていない。 「ねぇ、雅臣氏がここに来られるのっていつかな?」 「さぁな。あいつ、今職探ししてるから。」 優希は俺の言葉にえぇっ?!ってなっている。 そんな驚くか? 「え!やっぱり買収されるの???」 「買収?!会社が?知らん。」 「今、やってたよ?テレビ。」 買収されても、もう雅臣には関係ないかもしれない。 「で?善人なんか言ってた?」 あ、やっぱ気にしてんのか? 「いや?特には…」 「本当に?…僕が近くにいて迷惑じゃないのかな。」 あ、そっち? 「それはないだろ。迷惑なら家に来ないし、泊めたりしないだろ。」 「…恋愛の邪魔したくないよ。」 善人。 優希の気持ちはサッパリ分からんぞ。 「邪魔はしてないんじゃないの?」 「…大会とか応援に行かない方がいいかな、もしかしたら本命呼びたいかもしれないし。」 本命はお前だから! お前の応援が必要不可欠なのにー。 「応援されて嫌な奴いないだろ? ギクシャクするより仲良くつるめよー」 血は争えない。 優希もなかなかネガティブなのかもしれない。 「分かった。こうなったら本命を聞きだそうっと!」 ……善人、すまんな、うちの弟はまだ恋愛が未熟で… 心のなかで善人には謝っておいた。
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