バラの花束をあなたに

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それから2週間、俺は店の内装を如月さんと何度も打合せし、クロさんの会社とも費用ならなんやら話し合った。 雅臣は職探しをしているのか家には来なかったし、俺もマンションには行かなかった。 俺はその間に抜糸もして右手は完治した。 善人も家には来ていない。 学校では毎日会ってる優希も前みたいに善人の話をあまりしなくなった。 そんなある日の土曜…… 「え?これ、テスト結果??優希の?」 不調だったのか。 今までで一番良くなかった。 「…なんか集中できなくて…」 「そうか。まぁ、そんな時もあるよな。」 勉強の事でアレコレ言えるわけもない。 俺は高卒だ。 勉強は普通だったし。 「でもその原因が分かってるなら、なんとかしないとな。」 「うん…僕、大学に行こうと思ってて。」 初めて聞いた。 優希の進路希望。 「行っとけ。したいことをするんだ、優希。」 「ありがとう、和希。」 優希は俺が色々我慢してると思ってるだろうけど、店をやるのは楽しいし、料理も好きだ。 だから実は俺は高卒でも好きな事を出来てる。 1ヶ月もしたら理想の店も開けるんだ。 「で、その集中の妨げになったのは…善人か?」 あ、善人のせいにしたらダメだったか。 「うーん。なんか知らないけど善人、全然勉強教えてないのに出来ててさ。 きっと教えてくれる良い人が現れたんだって…。」 それってやきもち?さみしいだけ? 優希は確実に気にしてる。 「まぁ、成績が上がるなら良い事だろ?」 うーんって優希は複雑そうだ。 「最近、うまく話せないんだ。 前はズケズケ言えたのに。なんでだろ。」 「善人を傷つけたくないから?」 「…ていうか、嫌われたくないから?」 「好きなんだろ?それって。 違うのか?」 えぇっ!?って優希は驚くけどさ。 「和希がそんな事言ったらそうなのかなって思っちゃうだろ!」 「えぇー違うの?優希の気持ちは優希のものだ。自分でよく考えろよ。」 初恋?の優希には難問なのか? でも18歳になる年だ。 恋の1つや2つしていてもおかしくないはず。
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