バラの花束をあなたに

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和希は店に置く小物をネットで探してる。 テレビはつけてるけど見てない。 じゃ、僕はゲームしようと思って立とうとしたら… “速報”の文字がテレビに映る。 “竹之内グループ買収へ。 イギリスの食品会社と合意。” 「和希!買収決まったって!!ねぇ!」 ん?って和希はテレビを見て 「あ、雅臣?」 “竹之内雅臣氏が役員に復帰” と書かれている。 「あ、就職決まったみたいだね。」 「お、おう。復帰できたんだな…なんでだ?」 和希は買収には興味を示さない。 きっと雅臣氏の事だけが気になっていたんだろう。 なんでだ?とか言いながらもまたネットでお買い物に戻ってる。 「もしかしてバラを抱えてくる日もそう遠くないかもね!」 僕の言葉にパッと顔を上げて赤面した。 そんな時、和希のスマホが鳴る。 あ、雅臣氏だろうな。 なんか僕、絶対に邪魔だよ。 土曜だし… ひ、久々に善人んち泊まらせてもらおうかな。 “ね、善人。今日泊まっても平気かな?” 帰りの途中で気付いてないのか返信はない。 「え?きょ、今日、べ、別にいいけど…」 善人!早く返信してぇー!雅臣氏が来るよ、絶対!! 僕、邪魔者になっちゃうよー! にしても和希がものすごく嬉しそうなんですけど。 その姿を見た僕もものすごく嬉しい。 “いいよ。親と妹はいないけど。” え?よ、善人と二人きり?! ど、どどどどーしよー!! 「…優希?それって…ムンク??ぷっ…」 「まっ、雅臣氏来る?? ぼ、僕、善人のとこ泊まるから!!」 「来るけど。べ、別にいてもいいぞ?」 やだよー。 絶対にいちゃつくもん。 「いいよー。僕も久々に善人んち行きたいし。」 へぇーって和希!やめてよ、その、その、やらしい目! 僕は急いで家を出た。 雅臣氏!和希をたのんます!!!
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