バラの花束をあなたに

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ピンポーン。 「どーぞ。」 あ、和希さんの声です。 たまらなく会いたい人。 エレベーターに乗り込んだら急に緊張してきました。 2週間、連絡も密にはとれずにいましたからね。 待ちくたびれたぞ!って言われてしまうかもしれません。 いや、それならまだいい。 あ、もう如月さんと付き合うことにしたんだ。なんて言われたら… ショックすぎて立ち直れません… 部屋の前で少し心を落ち着けようとしたら ガチャ… ドアが開きました!! ギャー! 「…何してんだ?雅臣?遅いから開けたらいるし。……?」 久々の和希さん!!! 「和希さん!」 僕は玄関に入ってバラを差し出す。 そういえばノープランですけどっ!! 今更、ちょっと焦る。 「あ、バラの良い香りがする。 ふっ……雅臣、ありがとう。」 和希さんの優しい笑顔に心が射ぬかれました。 「か、和希さん、僕とお付き合い下さいっ!」 「……………あ、あぁ。」 え?何ですか?その間は。 和希さんはちょっと驚いた顔してるし。 「え?何です?ま、まさか!他にっ!」 「違う、違う!バラに満足しちゃって。 そ、そうだよな、そういう事だもんな!」 赤面してる和希さんが可愛すぎます。 「で、ではよろしくお願いします。」 「こ、こちらこそ…」 もうすることは色々済ませた大人二人がぎこちないですけど。 目が合ったらお互い笑ってしまった。
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