バラの花束をあなたに

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「ところでイギリスの会社?買収されたのって」 「あ、そうです、そうです。 あの明正兄さんの奥さんの会社。」 は?…確か前に帰国するって…それでか? 「竹之内メリッサさん。 すごく敏腕社長でね。って兄さんを相手にしてるんだから器用な人だよ。 僕も戻してくれて。」 なんかすごそうな人だ。 でも雅臣は信頼してるみたいだし。 「とりあえず良かったな。お疲れさん。」 「ってこれからなんですけどね。 さすがにホテルの予約キャンセルとかも多くて…ミーティング漬けでした。」 なるほどな。 でも雅臣は生き生きしてる。 「あ、そういえば、善人がまた家庭教師してもらいたいみたいだぞ。」 「ん?もうテスト終わりましたよね?」 え?なんで雅臣が知ってんだ? 雅臣はちょっとヤバイって顔したし。 「ふぅーん。恋人になったと思ったら即秘密か。困ったもんだな。」 「えぇー。和希さんに言われるとしゃべらないとじゃないですかー。」 一体何なんだ。 雅臣は困ったように頭を掻いて 「善人君に勉強を教えてたんです。 明正兄さんが。」   は?忍者アッキーさんが!? 「あれでも兄は秀才なんです。 テスト前にたまたま部活帰りの善人君に会って。 優希君に内緒で勉強したいって。 兄は教えるのは苦手だとか言ってましたけど二人は気があって楽しそうでしたよ。」 善人、なんで内緒にするんだ? ワケわからん。 「善人君、水泳がダメになった時に頭悪いのも困るって。 かといって優希君の勉強の邪魔もしたくないって。」 善人の奴。 ま、今頃仲良くゲームでもしてるんだろ。
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