バラの花束をあなたに

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*** な、何コレ。 善人とゲームを楽しくしようと思ったけど、なんか僕の態度がいつも通りじゃなくて… 「なんで勉強、僕に教わらないの!?」 「なんで優希に教えてもらうわけ!? 俺だって他に友達いるし!」 …変な言い合いに発展してしまった。 「今更だろ!教えながら復習できるし!」 「いーだろ!?俺、今回はものすごく結果残せたんだし!」 「僕の教え方が今まで悪かったもんね!」 「ちっ!違う!俺がちゃんと理解しようとしなかったからだって!」 むぅー善人のくせにぃー! 僕にはいつもヘラヘラして文句言った事なかったのにー! 「じゃ、今つるんでる人だと理解しようと努力したんだねっ!!」 「したさっ!部活終わりにほぼ毎日一緒に勉強したんだ!」 なーにぃー!! 「勉強も出来て、ついに彼女もゲットか!バカ善人ー!!」 「ゲットしてないっ! アッキーはっ……!!」 「アキー!アキちゃんって口を滑らせたな!この浮気野郎!」 「うわっ!?浮気!?優希には関係ないじゃん!!!」 善人の最後の言葉に胸がズドンと重たくなった。 関係ない。 確かに。無関係なのに。 でもいつも一緒にいるのが当たり前で、僕は一番だったのに。 視界がユラッと揺れる。 「…ゆう……」 ワケわかんない。 僕、女子みたいだ。 でも動けない。動いたらダメだ。 絶対に落ちる。 「優希…」 おかしい。やっぱりおかしい。 僕、和希と同じなのかもしれない。 でも他の男の人はどうも思わないけど。 「ごめっ、帰る!」
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