バラの花束をあなたに

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帰る!って言ったくせに動けない。 床が水に浸かってると思うくらい揺れてる。 「そ、その涙は…なに?」 善人に優しく言われてマズイ!とすぐに思った。 おかしい。 友達が友達に勉強を教わっただけの話。 友達が… トモダチ… 「ごめ…わか、わかんない。」 誤魔化すしかない。 「優希、俺勘違いするよ?」 「…!!!」 バッと善人を見たらやっぱり落ちた。 頬に伝うのが涙なんておかしい。 「優希…」 「待って、わかんな…ごめ…」 うっぷ!! 次の瞬間は善人に抱き締められた。 ――は、はい? 「優希はお、俺が好きって勘違いしたい。」 え? 「善人?……ぎゃー!ドキドキすること言わないでよ!免疫ないピュアッピュアボーイなんだから!」 「うっそー。なんかちょっと小悪魔的なんだけどー。」 はぁ?やっぱり善人だ。 雰囲気もくそもない。 「はぁ?善人こそ、僕が好きなわけ?」 抱き締められてなぜか僕は強気になれた。 「………」 「ってばか!なんか言ってよ!」 「じゃ、キスする!」 は? って思考が止まったと思ったら唇に柔らかいものが触れた。 にゃー!ファーストキス!! 「あ、あわ、ほんとにした…」 「…お、俺は先も出来るけど。」 にゃー! 善人がいきなりオマセなんですけどー! 「ぼ、僕だって!!」 なんて大嘘ついて大人ぶってみた。 善人のキス…すごく好きかも。
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