バラの花束をあなたに

34/40

429人が本棚に入れています
本棚に追加
/227ページ
「善人だってそうじゃん?てか、モテそうだし。」 「んーでも優希の顔、可愛いもんなぁー。てか、優希以上に俺の事分かってくれる奴いないと思う。 …信頼してるし。」 あー信用問題ね。 そこはそうだね。幼馴染みだもん。 むしろ奇跡かもしれない。 「そうだよねぇ。で、アキちゃんはいいの?」 「は?あぁ、アッキーさんね。 雅臣氏の兄ちゃん。」 は?忍者アッキーさん? やっぱりどこでも現れる忍者だ。 「アッキーさんか。忍者でしょ?」 「あーわかる!忍者っぽい!」 その後も僕達はお互いの将来の願望とか昔の話とか… 話が尽きなかった。 どこの場面にもお互いがいる。 クラスが違ってても家に遊びに行っていたし。 この関係がままごとだと思われてしまうかもしれない。 楽なところで収まったって思われるかもしれない。 それでも僕はこの初恋は長く続くんだろうなって。 期待と希望も込めてね。 親友が恋人になる。 それってすごいこと。 お互いに想い合わなきゃ恋人にはなれないんだから。 僕が大人になるのはまだ先だけど。 きっとその時も善人は一番近くにいるだろうな。 「ねぇ、優希。俺のどこが好き?」 なーんて質問し返してくる善人もなんだかカッコよく見えるんだから恋ってすごいね。 「んー。顔と性格。」 「全部じゃん!」 …全部でしょう!正解! あまりにも嬉しそうに笑う善人から目が離せないとか… すごいわ、本当。 次の日、ベッドで横になる和希に報告したら“おめでとさん”って。 雅臣氏もめちゃくちゃ喜んでくれた。 善人め、知らないところで相談してたんだってな! 和希が腰痛なのは雅臣氏のせいだろうけど、僕はまだ経験値が2くらいだからね。 レベルアップはこれからだ。 にしても善人が甘い。 僕やっぱり溶けちゃうみたいです。
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

429人が本棚に入れています
本棚に追加