バラの花束をあなたに

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「…うまくいってるみたいだな。」 如月さんの言葉に素直にハイと答える。 「って言っても付き合って1週間くらいしかたってません。」 「それはそれは楽しい時期だね。」   如月さんとはそれから二時間ほど家具をみてまわった。 紹介されたのもあって少し安く手に入りそうで安堵する。 「あ、いたいた。コノ…」 あ。 雅臣とコノミちゃんに近づいていくと二人は寝てしまっていた。 二時間で仲良くなったのかコノミちゃんは雅臣に寄り掛かってる。 テーブルにはたくさんの絵がある。 「参ったな。 6歳はなかなか重たいんだよ。」 如月さんは色鉛筆や紙をリュックに入れてコノミちゃんを抱っこした。 一連の流れが手慣れてる。 「じゃ、雅臣君は和希に任せるよ! それじゃ。また何かあれば連絡して。」 そう言って如月さんは帰っていった。 俺はしばらく雅臣の向かえに座ってチェックした家具を整理した。 「……うーん。……!?和希さん?」 「おう。起きたか?コノミちゃんも寝てたぞ。」 雅臣は帰っちゃったんだ…と残念そうに呟いた。 俺は息を吐いた。 帰るぞと雅臣に言って二人で店を出た。 これはよくあることだ。 雅臣は子供好きだ。 …まだ間に合うよな? お前、やっぱり普通の恋愛をした方が良い。 如月さんが娘を連れてくると言った時からこんな気持ちになるかもしれないと予想は出来ていた。 まだ1週間、傷は浅い…はず。
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